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つまんない賛歌

つまんないことに目を伏せたくない
大きく顔をあげて
見つめてみたい

それがガラクタのような出来事でも
小さい息が
感じられるのなら

この世はつまんないことだらけ
だからこそ掻き分けて
探してみたい

磨けば光る小石のような
そんな素敵なつまんないことを

いつもの横断歩道を渡って
いつもの曲がり角を曲がってゆく

店の窓ガラスに映るのは
いつものつまんない僕の姿

窓ガラスを拭く店員さん
窓ガラスに映る
僕の姿も磨いてくれるみたいだ

そんなつまんないことだけど
なんだか笑顔になれる

この世はつまんないことだらけ
そんな呪文にかかってしまったら
いつも伏し目がちになってしまう

そんな時は少しでいい
顔をあげてつまんないことを考える
溜息がでるほどつまんなさすぎること

悲しい時ほどつまんないことを考える
そこからそれ以上
余計なことを考えることはない

一番大切な人とは
とめどなくつまんないことを話したい
とめどなく無駄な時間をすごしてみたい

つまんないことで笑い合いたい
ガラクタのネタも光を放ち始めるから

それはつまんなさすぎるって
笑い合いたい
おなかを抱えるほど

つまんないことで笑い合えるって
とてつもなくつまんなくない

それは
とっておきの暮らしのたからもの
つまんなくないくらい笑えちゃう幸福























# by soratosan | 2019-08-19 00:01 | Trackback | Comments(0)

言葉の雨

力強く伏せた目が
ずっと我慢し続けてきた
酸っぱい涙をこぼしてくれた

外は真夏の晴れ
痛々しいほどの晴天の光

なのに部屋の中は
容赦なき土砂降りの言葉の雨

いつもくっきりと
寄り添ってくれていた
影も今は虚しいほど薄くて

ずぶ濡れの君は何も言わず
歯を食いしばり
肩を震わせるばかり

何も言い返さないことは
決して負けじゃない

乗り越えようとする心が
確かに芽生えているならば

言い返さず
誰かを超えようとすること

そんな気持ちにも必ず
明日の道はひらけてゆくはず

知識の蔦よ君にからまれ
忍耐の蕾よ君に花開け
飛び切りの太陽の光よ君に宿れ

土砂降りの部屋よ
目覚ましく目覚ましく
いつか君の希望と絆の泉になれ





# by soratosan | 2019-08-15 00:01 | Trackback | Comments(0)

きらり

川の向こうに見えない君がいる
小さな小さな川の向こうに

手を伸ばせば超えられそうな
そんな見えない川の向こうに

だけど超えられないのは
住む世界が違う気がするから
住む時間が違う気がするから

いつもは
一人なんて辛くないけど

ぽっと時間が空くと
いつの間にか
君の住む方向を見つめている

電話するのも何だか悪くて
君には君の
世界と時間があるから

暑い夏の日に
水浴びをするように
距離を詰めてゆければいいのに

きらり
きらり
きらりと

見えない小さな川のまんなかで
見えない君が
きっと透けてくる

きらり
きらり
きらりと



# by soratosan | 2019-08-12 00:01 | Trackback | Comments(0)

花火

どこからともなく
ひとが集まってくる

地面には咲かない
花をみつめるために

様々な一瞬
それも
つなぐとひとときになる

やがて
色づいた思い出になる

舞い上がっては開く
夜空に一瞬の花たち

今夜きみは
誰よりもきれいだよ

限られた一瞬に
はかない命をそそぎ込む

花火
花火
花火

ふるえるように
夜に溶けてゆく花びらの色

この花火が終わったら
また違う季節がくるのかな

君は何色

思う間もなく
開いては
消えてゆく夜空の一輪

あいいろの空に溶けてゆく

みつめるひとの
瞳に胸に
ふるえるように溶けてゆく



# by soratosan | 2019-08-08 00:01 | Trackback | Comments(0)

月光浴

君は知っていたかい
夜にも光があるってことを

そんなこと知っているわって
夜景の光をゆびさしたけど

ずっとそこにありすぎて
見過ごしてしまうことが
日々にありすぎる

眠らない街の夜
秘密のエリアに逃げ出さないか

そこには夜景にはない
特別な光だけがある

そんなこと知っていたわって
君は笑うかもしれないけど

見上げれば今夜は満月

誰もいない夜の自販機で買った
カップのジュースにも
ゆらりゆらりと浮かぶ満月

真昼にさしていた君の
可愛らしい日傘も今はいらない

ありのままの髪を
肩をそして背中を夜風にさらして

ささやかな自由に乾杯したら
一気に月を飲みほすんだ

そしたら何だか叶う気がする
理由もないけど叶う気がする
僕たちが望むささやかなアラカルト

望むままに月光浴
お気に召すまま月光浴

夜はこれから
夜はまだまだ長い
ありのままのすべてをさらして



# by soratosan | 2019-08-05 00:01 | Trackback | Comments(0)

まばたき

何枚も何枚も撮り続けました

歩きながら
立ち止まりながら

横たわりながら
眠りながら

移ろう時のその瞬間を
ただ流れゆく瞬間を

あなたは思い出を
どこにしまっているの

あなたは思い出を
どうして残しているの

あの時の写真
いつかの写真
たった今の写真

秘密です
誰にもわからない場所にです

そして今日も
僕はまばたきをします

積み重ねられては
積み重ねられ続ける思い出です

何度も何度もまばたきをします







# by soratosan | 2019-08-01 20:01 | Trackback | Comments(0)

何もしたくない同好会

リビングに寝ころんで
窓の外の景色をみていた

それはしきりのない
大きな映画館の中のよう

週末の疲れをちょっと擦れた
ブルーのラグに横たえて

眠るように空を見ている

ああ
何にもしたくない
どこにも行きたくない

ただ
ここに存在するってことが
ぼんやりとわかればいい

指先を立てれば絡んで
もつれそうになる
しがらみの糸

今は誰からも
どこからも
遠い場所にちぎってもいい

ああ
何にもしなくていい
どこにもいかなくていい

だって今日は誰にも縛られない
待ちに待った
自分のための休日だから

ああ
何にもしなくても
生きているって思えるのはなぜ

どこにも行かなくても
遠い空を感じられるのはなぜ

きっと青空の下は
たった一人みたいな
だけどたくさんの光の集合体

集え
おだやかな空に
こころ奪われる休日の民

ここは何にもしたくない同好会

きっと私だけではない感情が
大きな天井みたいな
青空の下にたくさん光っている










# by soratosan | 2019-07-29 00:01 | Trackback | Comments(0)

僕は読み物じゃない

閉じたままの僕は
今日に鍵をかけたわけじゃない

表紙にはいつも
無表情な目が遠くを見ている

ぱらぱらと何度も
君は僕をめくろうとするけど

無理に近づいてくれば
近づくほど
僕は閉じてしまう人見知り

君が思うほど
そんな難しい奴でもない
そんな重たい奴でもない

君が勝手に決めてしまった
表紙がすべてを閉ざしている

空気でできたページを
めくったとしても
ますますシャイは加速するだけ

君が他のみんなと接するような
ありがちな言葉をかけて

君がかけてしまった表紙を
本来の表紙にかけかえてよ

そこには草っ原に置かれた
ライトノベルのごとく

ゆるい風に吹かれるままに
ページをなびかせている
いつもの僕がいるから

君が得意とする速読なんて
ここには通用しないよ
だって僕は読み物じゃないから

目と目を合わせた後に
互いのそのままをめくってゆく

ただ着の身着のままの時を
ただゆっくりじっくりと

空気なんて読まなくても
急いで読まなくてもいい
だって僕は読み物じゃないから














# by soratosan | 2019-07-22 00:01 | Trackback | Comments(0)

レモンソーダ

月が昇ってきた
今夜も昇ってきた
太陽の代わりに昇ってきたの

何処にもないのに
何処からか
遠い何処からか

レモンの香りがしてくる
酸っぱい記憶が体じゅう
髪からつま先まで染みてくる

つまらない後悔の連続
今日の一瞬たちは
私の宇宙の中で発砲されてゆく

月が昇っていく
今夜も昇っていく
太陽の代わりなんかじゃない

誰だって他人にはなれない

だけど
似た者にはなれるか
だけど
太陽の代わりにはなりたくない

そういえば月って
レモンに似ているよ

酸っぱくってなんだか
泣けてくるね
深い真夜中にも染みてくるよ

沈黙する心に月明りのフェチ
なんだかわからないけど
泣けてくるね

だけどこれでいいのか
これでいいんだ
遠いレモンの香りがしている










# by soratosan | 2019-07-18 00:01 | Trackback | Comments(0)

ゆらぎ

風にゆれる花に
目をうばわれた七月の午後

折れそうで
でも折れない花よ

風に身をゆだねるようで
決して
わたしを忘れない花よ

淀んだ風も澄み切ってゆく

何かを洗うように
あわい曲線を描いてゆく

とめどなく
降りそそぐ
七月の午後のひかり

あなたのゆらぎの中に
しなやかな強さが
たしかに生きているんだ














# by soratosan | 2019-07-15 00:01 | Trackback | Comments(0)

雨の中に

町はずれの一本道
あんなに晴れていた空から
とつぜん零れだした雨の雫たち

傘を忘れたことを思い出して
何もない一本道を
ただひたすら歩いてゆく

ただ浴びるだけの雨の中に
何かを探したくなった
遠い日の日曜日

ラッシュの電車の中で
吊り広告が揺れている

あの遠い日曜日によく似た
なつかしく
果てしない景色が揺れていた

僕たちは日々
無造作に置かれた
作為的な言葉を浴び続けている

何を考えることもなく
それを快楽と呼ぶことさえも
難なくやりすごしてしまうんだ

今 言葉の雨を浴びながら
足並み揃えて群れてゆく遊歩道

受け身なことさえも
正しいと答えに変えてゆける
そんな物哀しい夜に気付いてしまった

今 ただ浴びるだけの日々から
静かに離れてゆくための
僕だけの傘を探し始めた記念日よ

あたりもはずれもないんだ
その道はどこまでも一本道

すべてを理解したいってことから
始まっている一本道
いつのまにか重なり合うんだ

ただ浴びるだけの雨の中に
何かを探したくなった
遠い日の日曜日よ

あの一本道の遠い記憶
ただ浴びるしかなかった時の中
どこかで違う雨を探していた僕は









# by soratosan | 2019-07-11 19:31 | Trackback | Comments(0)

夜釣り


誰にでもある日々のつぶやき

どうしようもない
大小のあぶくは
水の何処かに捨てられてゆく

受け止めるものの角度が
ほんの少し違うだけで

それぞれの不幸にも
幸せにもなりうる自らの海

息を止めては潜水し
顔を上げることを繰り返す

とどかない夜の月を
ぼんやりと
見つめることを繰り返す

泣きそうで泣かない
真昼のうす青い心のひれで

しょっぱい
この街の水を泳いでいる

このまま海水の世界で
生きてゆくのもどうだろうな

懐かしい淡水の世界に
背びれをゆだねてもいいかな

半分にんげんで
半分魚のように生きてゆく

すべてを許すのは許しがたく
すべてを許さないのも許しがたく

浮遊する
この街の矛盾の果て
とめどなく流れてくる困惑の闇

今夜騙されたい
騙されたい
嘘ばかりだったあの人に騙されたい

僕と一緒に泳いだら
絶対不幸になるって騙してほしい

月が落ちてきそうなくらい
零れそうな真夜中の色

彷徨う波のはざまから
あっさり釣りあげられて水飛沫
うす青いひれにあの人が透けている





















# by soratosan | 2019-07-08 00:01 | Trackback | Comments(0)

濡れて光る

雨傘を持っていない時に限って
雨が降ってくる

濡れたくないから
あんなに毎日
かばんに忍ばせていたのに

おろしたての青いハンカチ
君は思っているかもしれない

私は何かを
ぬぐうためのものなのに
まさか誰かの雨傘になるとはって

とりあえず今日の雨はゆるやか

一時しのぎに
頭にのせられた青いハンカチは

さみしい雨空の下に
小さな青空を広げながら

雨のうすぐらさを
拭いながら
ゆっくりゆっくり濡れていった

思い描いていた
夢とは違う開き方だったけど

ひとひとりぶんだけど
小さな今日のさみしさを
ゆっくりゆっくり拭ってあげられた

うすぐらい雨空なのに
まひるみたいな青いあじさいの道

太陽が似合いの
ひまわりが夢だったけど
雨がお似合いっていわれている夢の姿

とりあえず今日の雨はゆるやか

なだらかに降る雨の歩道に
濡れて光る
ハンカチとあじさいの色

雨空のうすぐらさ
ワイパーのように打ち消しながら
濡れて光る
垂れ込める今日にも青く

思い描いていた
世界とは違う夢の姿があたらしい
それぞれの青さに溶けては開く光


















# by soratosan | 2019-07-04 00:01 | Trackback | Comments(0)

車輪と背中

自転車をこげる幸せ
背中に乗っけて走る初夏

太陽がゆっくりその姿を
追いかけてくる

いつだってそうさ
走っている最中は気づかない

ジワリと滲んでくる汗に
紛れてしまいそうな温度の
背中越しの幸せ

誰かと同じ速度で走ることも
確かに心地よいけれど

ときどき吹いてくる
大勢の中の孤独を感じてしまったら
速度をゆるめたっていいんじゃない

速度を速める
目的地に着くまでの時間と順番に
囚われちゃなんだもったいない気分

時には速度をゆるめる
目的地に辿り着けるまでの
楽しみを感じるのもいいんじゃない

今はみんなと同じでなくていい
辿り着くところはみんな同じだから

あの坂の上の高台の向こうには
きっと今日もおだやかな海の声が
青い輪を成すように光っている

幾数台の他人の自転車が
通り過ぎてゆく後で
そっと気づいたあたたかい背中の光

たぶん僕の背中にも
存在してくれているおだやかな光

みんなと同じじゃなくてもいい
とりあえずまだ
今日の背中はあたたかい

水を得た魚のように
流れるゆるやかな風を切りながら
背中で青くて広い空を仰いでみた

にんげんなのに何だか
いつものにんげんじゃない僕の

ゆっくり胸の中に転がり続ける
心地よい違和感を
今日の青い背中で抱きしめてみる




























# by soratosan | 2019-07-01 00:01 | Trackback | Comments(0)

うたのうた

嫌なことはいつも
綺麗に忘れてしまえる

僕の特技
僕の特別な癖

忘れたくないことを
ぜんぶ忘れたくないけど

ぜんぶは無理だな
だって僕はにんげんだから

覚え書きしたって
紙を失ってしまえば思い出せない

PCにしまったって
消してしまったら思い出せない

どうすればいいのかな
一番最良の手立てを考えていた

ずっと忘れずにいることを
こころの中で探り求め続けていた

僕にとってずっと
忘れずにいられることは

空気のように毎日
かたわらにいる君のこと

だから忘れたくない大切なことは
いつも君にリンクする

それは歴史の暗記物のような
こじつけめいたことでもあるけど

ずっと忘れずにいられる
ずっと忘れずにいられるから

空気のように毎日
かたわらにいてくれる君の正体は

とんがったゆびさきに宿る
どうしようもない優しさ
口ずさみたくなるような生活のうた

ずっとずっと描き続ける
ずっとずっと
踊り続けるうたのうた

どうしようもない優しさ
いつでも思い出せる
なだらかな人の胸へと続け




# by soratosan | 2019-06-24 00:01 | Trackback | Comments(0)

ゆだねがち

この世のガラクタとか
この世のラクガキとか
この世のカタスミにあるもの

色メガネを外して
ずっと見つめ続けているうち
涙を零してしまう人がアチコチに

正直ってある意味
純粋ってある意味
とてつもなく不器用なものだ

言い訳なんてできないから
たちまちヨゴレテしまう
たちまちノミコマレテしまう

人間の強さも人間の弱さも
正直にあるのかな
純粋にあるのかな

どこまでも正直なものから
どこまでも純粋なものから
きっと生まれてきた僕たちだから

生まれたままの日のことを
体は覚えているのかもしれないな
心は覚えているのかもしれないな

果たして僕たちは
どこまで裸になれるのかな
重ね着する生き方にこの身をゆだねがち













# by soratosan | 2019-06-20 00:01 | Trackback | Comments(0)

特別ないつか

いつも急ぎ足で帰るのに
振り返れば
あの日は特別の日だった

初夏の長い陽ざし
商店街に夕ご飯のメニュー
行ったり来たりの自転車と人

そこは夕暮れの世界に溢れて
美味しい匂いと
見覚えのあるような
人の色と音に包まれていた

そして僕たちも
何にも言われなくても
あの日の夕暮れの世界の人だった

住民票もパスポートも
必要のない見慣れた世界の一角で
何でもない言葉を交わし続けていた

駅に向かって歩いてゆく
ふとハンカチを落として
拾い上げたその瞬間に見上げたものは

暮れゆく空に進む
背中越しの君のまっすぐな姿と
長い長い君の影
思わずみとれるほどにまっすぐな

なんだか淋しくなって
急いで立ち上がって君を追いかけた

今でも忘れることはない
振り返ればあの日は
僕にとって特別な日になっていた

長い長い君の影
長い長い永遠の影

君の影がなくなっても
僕には続いている
ずっとどこまでも君に続いている









# by soratosan | 2019-06-17 00:01 | Trackback | Comments(2)

ほんとうのほんとう

どうしてこんなに
正しいのに
嘘にされてしまうことがあるの

右から見ても左から見ても
横からも見ても縦からも見ても
答えはかわらないのに

それが人生なんだよなんて
どや顔で言う人たちに

見上げた空の雲までもが
味方している
そんな気持ちになってしまう夜

いつも少ないことが
違うって言われて

いつも多いことが
正しいんじゃないのって言われて

くちびる噛んでた夜にバイバイ

認められない今はまだ
ほんとうのほんとうに
出会っていないからかもしれない

だからどこまでもいつまでも
ほんとうのほんとうを
探し続けたい

いつだって
ほんとうのほんとうは
ほんの少ししかないはずなんだ

だからいつも
たくさんだけが
正解じゃないんだって言える

だからいつか
この砂漠みたいな時間の中に
ほんとうのほんとうを見つけたい

そして静かに掬い上げて
透明な空間に
たぐり寄せたら守りたい

僕だけのほんとうのほんとう
いつか信じた答えを
ぜんぶ明かすことができたなら

少ないことも多いことになるよ
見上げた空もうなづいてくれる

砂漠みたいな時間の月も
宵闇に溢れてスルリと光るはず

ほんとうのほんとうが
さんざん違うって言っていた
たくさんの手がうなづいたなら

深い満月の光の下に置かれた
青い砂時計みたいに
きっときっと泣いてしまう













# by soratosan | 2019-06-17 00:01 | Trackback | Comments(0)

へたくそっていう言葉なら

へたくそっていう言葉なら
世界一似合う

いつも自信のない僕が
自信一杯に答えられる唯一

臆病っていう言葉に
いつも臆病になっていた

そんな引っ込み思案に
力を与えてくれた唯一

ラクガキにしか見えない
僕のか細い声にも

耳を澄まして
目を閉じて聞いてくれた

生まれる前の花びらのような
あの子のまごごろ

それは僕だけの
もうひとつの忘れられない唯一

へたくそだって
世界一と胸をはれるなら
あなたは臆病なんかじゃなくて

いつも自分と向き合えている
世界一の人だよ

へたくそだって
一生懸命っていう眩しい言葉が
いつもあなたのそばにいてくれる

暗い土の中に
深く根を張ったことのある
そんな花にしか知らない
眩しい優しさがいつか開く

それはあなただけの世界
あなただけの唯一
あなただけの世界一だね



# by soratosan | 2019-06-13 00:01 | Trackback | Comments(0)

そんな灰色

隣の空は青い
いつも眩しく見える

だけどどんなに
手を広げても
僕の翼ではとどかない

空は見渡すごとに
その大きさを広げてくる

もう何処に飛んで
行っていいのかさえ
わからなくなってしまうよ

傷ついた悩みの翼は
ことごとく
重さを増してくる

もしかしたら
もう飛べないかもしれない
そんな灰色を連れてくる

傷ついてしまったことは
今更どうにもできない

ただ今ある翼を
守り抜いてゆくしかない

明日からとか
これからとかっていう言葉は

明るいようで
痛みを伴いがちな響きでもある

だからどこにも行けない
だから泣くしかない
今は

隣の空は青く見えてもいい
自分の翼は灰色でもいい
今は

僕を悩まし続けるものに
傷つけられた傷跡は

癒えることはあっても
ずっとずっと
消えることはないでしょう

せめてこの傷跡を
見つめて別の空を飛びたい

隣の空なんかじゃなくて
もっともっと灰色の空

何にも出来なくても
そばにいるだけで
君と凌げる夜明けまでの空

同じ傷跡を抱えて
明日という光の痛みに
君と共に飛んでゆけるのなら


















# by soratosan | 2019-06-10 00:01 | Trackback | Comments(0)

夕凪

息継ぎするのが精一杯
そんな毎日だけれど

どうにか
日々の波を泳いでいた

本当の水の中は
泳げないけれど

胸の中に秘めた水面は
何とか泳げるんだ

誰かに教えられた
わけじゃないけれど

背びれも尾びれもエラも
どこかについている
わけじゃないけれど

どうにか
日々の波を泳いでいた

重たい空気の波の中を
泳ぐことに疲れた時

その波の上に顔を出して
一気に見渡せたら

そこには誰にも触れられない
この街の夕凪

深呼吸することさえ
躊躇してしまうほどに

そこには他には何にもない
この街の夕凪

そして明らかに僕も
心うばわれて立ち止まる
この街の夕凪

ときには止まらなくちゃ
何にも触れずに佇んで
小さな小さな深呼吸をどうぞ



# by soratosan | 2019-06-06 00:01 | Trackback | Comments(0)

どっかのそっち

なんのために生まれてきたのかなんて
そんなむずかしいこと
今はどっかのそっちにおいておこうよ

そんなことより
もっとたいせつなことがある気がする

みんなからくだらないって
いわれているどっかのそっちのこと

みんなからばかにされて笑われて
小さくなっているどっかのそっちのこと

ほんとうにそうなのかな
もう一度この目にして見つめてみたい
もう一度この手にして確かめてみたい

誰にも気をとめられなくても
誰にも認められなくても

僕はそんな
くだらなさやばからしさのそばにいたい

だってかしこそうにみせるのは
案外かんたんなことのような気がするから

だってありのままをみせるって
本気で勇気のいることだって思えるから

だってありのままってなかみには
生きるってたいせつさが
たくさんつまっているいる気がするから

だってありのままってなかみには
生きるっていう正直さを

日々のやさしさに変える
光の輪があるような気がするから

だからいつもそばにいたいんだ
いいかげんに生きていない君の
どっかのそっち





# by soratosan | 2019-06-03 00:01 | Trackback | Comments(0)

童話少女

夢を見たまくらの跡には
どんなに探しまくたって
夢で見たリアルは零れていません

どんなにいい夢を見たって
夢で見たリアルはそこにいません

そんなこと当たり前だけど
もう一度眠れば
会えるかもっていたずらに笑い

二度寝しようとしていまう
あなたは童話の少女のようです

眠りのページを開けば
ダミーの夢も
やがて夢の続きになってゆき

もう一度夢のリアルに
静々と届いてしまいそうです

その夢をもう一度やり直せたら
その夢を強く刻めたら
なにかいいことありそうな気がする

そんなふうに
目を輝かせる姿の
あなたは童話の少女のようです

日々移り行く世知辛い
斜め視線の世の中の童話に
パステルな風を吹かせてくれそうな

# by soratosan | 2019-05-30 00:01 | Trackback | Comments(0)

私を探さないで

私を探さないでください

そう呟きながら不安げに
周りを見ながら
いつもの道をのぼってゆく

切り開かれたものを
見つめるには
まだまだの先行きが続く

きっかりと誰もいない
休日の坂道で
ひとしきり迷いは続いてゆく

まっすぐな道なのに
この先をのぼってゆくこと

もうたった一本の道しか
行き先はないと
感じているはずなのに

まだどこかに小さく
曲がってゆくかもしれない
そんな私を浮かべてしまう

私を探さないでください
そう言いながら
誰かを探してしまうのは

無造作な孤独に生い茂る
この道の草木を
両端に感じているからだ

私を探さないでください
本当の私以外の
あらゆる孤独の両端の私たち

切り開かれたものを
見つめようとして
見上げたその空の上にはいつも

無造作に千切れてゆく
雲の隙間が何ひとつ
迷いもなくまっすぐに輝いていた

空のたかみまで
きっかりとほどけて
今すぐにでも届きそうなくらい












# by soratosan | 2019-05-27 00:01 | Trackback | Comments(0)

野球少年

あしもとに転がってきた
ボールを拾って
そっと返したら

何のためらいもなく
帽子をとって
深くおじぎをした少年

片手にギュッと
握りしめたボールも
とってもまあるかったけど

深くおじぎをした時
少年の向こうに見えた
夕暮れの太陽も
まあるくって大きかった

「ありがとうございます」

帽子をかぶって振り返り
グラウンドに帰ってゆく
後ろ姿の向こうに夕暮れの太陽

夕暮れのあしもとに
辿り着きそうな
野球少年のまあるい心の姿

大きな夕暮れの
太陽の向こうは受け止めていた

明日のまあるい夢の向こうに
たくさん続いてください
大きな希望に続いてください







# by soratosan | 2019-05-23 00:01 | Trackback | Comments(0)

赤いキリン 青いキリン

もっと遠くが見たいから
毎日背伸びしていた

つま先を立てても
見えないから
ずっと首を伸ばしていた

どうしても見えないものを
見ようとするうちに
首も伸ばすようになって

ほんの少しだけど
遠くの端っこが
見えるようになった気がした

いつもおひさまは赤
晴れた空は青

もしかしてもしかして
おひさまも
背伸びしても
何かが見えないから
首を伸ばすようになったのかな

もしかしてもしかして
晴れた空も
背伸びしても
何かが見えないから
首を伸ばすようになったのかな

今日のおひさまも
今日の晴れた空も

背伸びして首を伸ばして
せいたかのっぽのキリンみたいだ

そこから
いったい何が見えますか

赤いキリン
青いキリン
そして今日の晴れの下の僕

そこから
いったい僕は
何色のキリンにみえますか

いつか目にしたいものを
手にしてそばによせて
ほほずりしたい

そんな夢色を見上げている
まだまだ小さな
とうめいな今日のキリンです





# by soratosan | 2019-05-20 00:01 | Trackback | Comments(0)

シャッター

揺れたカーテンの隙間から
鮮明に見えた
硝子越しの向こう側の景色

一瞬の出来事が
胸のシャッターを鳴らした

何でもない出来事なのに
心揺れる一瞬がある

それが時々光になって
折れそうなものを
支えてくれることもある

それは誰にでも
ありうる平等なチャンス

だからそんなに責めないで
存在意義なんて考えないで

通りすがりの誰かさんの
何気ないやさしく淡い仕草が

今日も何処かで誰かさんの
胸のシャッターを鳴らしている

あなたの涙のひとしずくが
暮らすという日々の
地盤を少しずつかためてゆく

それぞれにしかない
経験が培ってゆく
弱き者への抱擁のぬくもりよ

それは顔をうずめたくなるような
何気ないやさしく淡い仕草を
つぎつぎと生み出してゆく

あなたは何にも役に立たない
人間なんかじゃない

誰にだってチャンスはある
いつか何処かで誰かさんの
胸のシャッターを鳴らしている










# by soratosan | 2019-05-09 00:01 | Trackback | Comments(0)

そのうち

そのうちなんて信じない
そのうちなんて存在しない

そんな時間のような
気がしてたまらなかった日々

約束する時は口にしない
お別れする時も耳にしない

あってないような
幻のように思えてしまった日々

とある土砂降りの午後の道
自転車を飛ばしながら
坂道を登りながら急いだ家路

顔に当たる雨粒が痛い帰り路
上がる息に入ってくる
雨粒に何度も口をつむぐ帰り道

呪文のように呪文のように
そのうちきっと晴れるって
呟いていた

それから嘘のように晴れて
本当にそのうち晴れた坂道の上

辿り着いた街の屋根の上には
雲間からの太陽
なんて清々しい光のライン

僕が思っていた
ネガティブなそのうちに
それ以来さよならできた記念日

そのうちっていうのは
期待するものではなくて
きっとたぐりよせるものなんだ

あの日みた光のライン
紡ぎたくなるような雨上がりの匂い
ありえない幻なんかじゃけっしてなくて













# by soratosan | 2019-05-06 00:01 | Trackback | Comments(0)

新しい今を生きる

五月の青葉の香りが漂う日に
開かれた新しい日々
今という新しい日々は始まる

そして人はいつでも
これからという日々の
しあわせを心から祈り始める

そのときどきに
至福の平穏を織りまぜたくて

新しい今を生きる
新しい今を生きる

日々の初めては
人の心に芽吹きだす
今という新しい愛は始まる

人はいつでも
愛する人の日々の
しあわせを心から祈り始める

五月の青葉の香りが漂う日に
開かれた新しい日々
今という新しい日々は始まる

今あなたの心にも芽吹いたか
新しい慈しみの日々

新しい今を生きる
新しい今を生きる

数えきれない青葉が
初めての日々の中に風を起こす
今開かれたすべての人の初めてに





# by soratosan | 2019-05-01 00:00 | Trackback | Comments(0)

さよなら平成

あの日
この世に生まれた僕も
いつしか大人になったよ

道の途中で
立ち止まって仰ぐ空に何を想う

いつか
かなしみにくれた僕の
背中を支えてくれた

熱いてのひら
よみがえって涙こみあげるよ

安らかな太陽の下
笑った心も

吹きすさぶ雨風の中
うつ伏して震えた心も

愛を信じた時
やわらかな人の道は
そっとその先に開いた

さよなら平成
さよなら平成

ありがとう
晴れの日雨の日も
時代の愛をありがとう

ありがとう
生まれくるいのちに
時代の愛をつなぐよ



# by soratosan | 2019-04-29 20:12 | Trackback | Comments(0)